牧場編です〜。
本日の作業用BGM
「秦 基博」の「グッバイ・アイザック」です。アニメ「宇宙兄弟」のEDテーマにも使われました。
起床するときの音楽にも使えそうです。
Go to 鹿屋市
今日向かったのは、鹿屋市というところです。
鹿児島県の形をイメージしたとき、鹿児島市は左側にある半島で、鹿屋市は右側にある半島です。電車でも行けるのかもしれませんが、直線距離が最短なので、フェリーで向かいました。
と言いながらも、実際に乗車したのは高速バスでした。バスごとフェリーに乗船するようです。
こちらは「桜島」です。ほのかに噴煙が確認できました。山頂の右上あたりが灰色っぽくなっているのが噴煙です。ニュース番組で、降灰量やその方角などを取り上げているのを見て、「鹿児島だ ああ鹿児島だ 鹿児島だ」と思った次第です。
そんなことを考えていると、いつの間にか鹿屋市に到着しました。バスターミナルですね。
何故か布団たたきが忘れ物に届いていたのを確認して、牧場の方と合流して送っていただきました。
向かった先は「ふくどめ小牧場」
到着したのは「ふくどめ小牧場」です。この後にも触れますが「”小”牧場」という名前が特徴的なところです(拓也さんがこの牧場を訪問しようと思ったのもこの名前が理由だったそうです)。ホームページでも紹介されているように、家族経営のため規模はそれほど大きくないようですが(個人的には十分すぎるくらい敷地面積は大きかったです・笑)、それだけ質の高い商品を作られています。この豚を使いたいとして料理人が訪れるほど。
ここで養豚・加工・販売・カフェ経営を行っていて、国内唯一の「サドルバック」と交配種の「幸福豚」という品種の豚を育てています。正直なところ、「家族経営」と聞いて「昔ながら」「かたい」「年功序列」といった、どちらかといえばマイナスのイメージを持っていましたが、ここは明らかに違いました。お父さんは既に引退をされ、養豚・加工・販売をそれぞれ息子さん、娘さんへ完全に引き継ぎ、ほとんど口出しをされることはありませんでした。
何より驚いたのが、将来を見据えたお父さんの投資です。
「外の世界を学んできなさい」と兄妹全員を留学させ、語学のみならず、養豚や加工、販売と行った専門的な知識を学ばせたそうです。特に加工は、本場ドイツの国家資格である「マイスター」を取得するほど…。結果として、養豚は長男、加工は次男、営業や販売は妹さんが担当するなど、究極の家族経営・6次産業化を実現させました。
将来を見据えた投資を惜しみなくしたという話を伺って、驚くばかりでした。
とりあえずお昼ご飯
「腹が減っては話が出来ぬ」とはよく言うもので、早速おもてなしをしていただきました。
敷地内にあるカフェスペースで、のんびりとお昼ご飯をいただきました。スーパーで肉が買えなくなりそうです。
山元町で活動を始めてから「美味しいもの」をたらふく頂いていますが、食の大切さを痛感する毎日です。例えば、山元町の「丸長」で販売している「”手作り”イカの塩辛」を食べてから、より一層、市販の塩辛の臭さを感じるようになりました。もう戻れません。笑
もちろん、毎日食べ続けると食費がとんでもないことになるので、程々にしなければなりませんが、食を生産する立場である農家になるのであれば、惜しみなく「食」に投資するのが良いかもしれません…。美味しいものを食べれば、自分の生産している野菜・果物はどのレベルで美味しいのか、ある程度の立ち位置も分かり、お客さんにも説明できるようになりますね。
ただ、食費がなぁ…。美味しいものを知らないからこその相対的幸福もあるのかもしれません。
少し散歩
お歳暮のため、小牧場は繁忙期。
というわけで、牧場付近を散歩してきました。
牧場を出てすぐにあった看板です。大々的に広報活動・営業をしているわけではないそうなので、結構レアな看板かもしれません。
大根らしき作物が何反歩にも広がっていました。
非常に豊かな自然が広がっていました。この辺りは人参が植っていたかと思います。
「映え」を狙った写真です。
おなじみの苔も。
触ってみると、まるで絨毯のような触感でした。まあ、触りすぎると濡れるんですけどね…。笑
ジブリの世界でした。この辺りは「となりのトトロ」ですかね。
とうもろこしはありませんでしたが、大根は渡せそうです。
夕飯 of おもてなし
お昼ご飯に加えて、夜もおもてなしいただきました。本当にありがとうございました!
おなじみのお湯割焼酎を片手に、まず頂いたのは「鳥刺し」でした。この日のために、日中捌いていただきました。本当にありがとうございます!
鹿児島のスーパーでも出回らない「鶏の肝」もいただきました。捌いたその日のうちでしか食べられないようです。めちゃくちゃ濃厚で、お酒が進む一方です…。笑
こちらは、拓也さんイチオシのレバーペーストです。ペースト状にしたレバーに混ぜる玉ねぎは、じっくり2時間炒めるそうです。手間暇かけている分、こちらも非常においしかったです!クラッカーに塗っていただきました。無事にハマりました。笑
こちらは豚の耳です。沖縄では「ミミガー」と呼ばれるところでしょうか。コリコリとした特徴的な触感に、しつこくない脂っぽさ、甘酢(?)でさっぱりした味わいでした。この辺りから、お酒が回って記憶が曖昧になってきています。
これは「幸福豚(こうふくとん)」です。やはり、スーパーで販売されている外国産の肉とは訳が違います。臭みは一切なく、脂っぽいようで、すっきりとした味わいだったかと思います。しゃぶしゃぶでいただきました!
そして本命の「サドルバック」です。とろけました。そして、旨味と甘味が絶妙…!
脂が強い品種らしく、昔は養豚界隈で不人気だったそうです。脂が強いと、それだけ出来が悪い評価になってしまうのだとか。
しかし、尋常ではない旨味を合わせ持った品種で、脂に対する需要も上がってきた現在では超人気商品になりました。
小さくすること
夕飯時、色々とお話を伺いました。
そこで話になったのは「今後は、なるべく規模を小さくしたい」ということでした。驚愕です…。
僕は今回が初めての訪問だったので分かりませんが、拓也さんのお話では規模はだいぶ大きくなったそうです。確かに、12月20日くらいから通販サイトでは売り切れと表示されていました。それくらい、人気な牧場だということが分かります。
しかし、それでも規模を小さくしていきたいと話されていたのは「品質のため」でした。
売上が伸びれば、その分投資に回せるので、規模拡大が出来ます。その規模拡大により、また売上が伸びれば、それを投資に回して…、の繰り返しになります。理論上、終わりはなさそうです。しかし、規模が拡大して伸びるのは生産量だけで、必ずしも品質は伸びるわけではありません。むしろ、低品質になることが往々にしてあります。
この点、ふくどめ小牧場では「何よりも品質を大切にしたい」という思いがありました。同じ品質を維持できないほど、自分たちでは手に負えない規模になってしまわないように…。逆に、自分たちで手が回せる範囲でより良い物を作るため、規模を小さくしていきたい、それくらい小規模で良い。そんな思いが「ふくどめ”小”牧場」という名前に込められていました。
そして、豚という生命を取り扱う産業だからこそ、出来る限り廃棄は避けたい。そんな思いが、ショーケースに並ぶ”加工”品として表れていました。
ここまで芯がぶれることがなく、完璧な6次産業化・家族経営が実現しているのは、世界有数だと思います。営業をせずとも、仕事を選ぶことができるなど、今まで僕が当たり前だと思っていたことを覆すことが、この牧場で行われていました。
感動した1日でした。
本当にありがとうございました!
翌日は指宿市へ
翌日は、再び指宿編です。視察らしい視察は、次の指宿で最後でした。
ではでは。
ありがとうございました!